ぼくが見て感じたスリランカ43 町田市自然休暇村・旅行記 前回はポロンナルワを紹介させて頂きました。今回は石窟寺院として有名なダンブーラを紹介する予定でしたが、それに代えて最近あった面白い旅行の話をする事にします。 9月25〜26日にスリランカ人6名、アメリカ人(日系3世)1名と日本人2名で長野県川上村にある町田市自然休暇村のキャビンに出かけました。事の発端は、スリランカ人が集まって、一緒にスリランカ料理を食べ、お酒を呑んで、歌を歌ったりダンスを踊れる場所はないかと相談された事です。7,8年前に町田市民フォーラムの調理室と和室を借りて同じ様な事をした事がありました。当時は今と違ってお酒に関してあまりうるさくなかったのですが、最近は、お酒は厳禁になってしまいました。公民館や芹が谷公園内の施設等にあたってみましたが、どこも同じ様な状況でした。 そこで思いついたのが、自然休暇村です。ここは何度か利用した事があるので、宿泊棟の他に少し離れた場所にキャビンがあるのを思い出したのです。ここなら、キッチンもあり炊事道具や食器類も用意されています。隣接するキャビンとも離れているので多少は騒いでも他の宿泊客に迷惑を掛ける事は無いでしょう。あとはとんとん拍子に話が進んで、日程が決まりました。 さて出発日の25日です。日本人・アメリカ人チーム(以下Nチーム)は町田に集合、スリランカ人チーム(以下Sチーム)とは中央高速の双葉SAで11時30分に合流する予定です。Nチームは11時少し前に到着しましたが、やはり問題はSチームでした。11時15分頃に電話あり、石川PAを通過したので、あと20分くらいで着くという連絡でした。石川PAは八王子料金所の手前で、双葉SAまでは約100kmあります。単純計算では平均時速100Kmで走っても1時間かかる距離なのですが、20分で着くと言い切るところが凄いですね。 後で聞いた話では、Sチームの幹事は待ち合わせ時間を11時30分と伝えると必ず遅刻するので、11時と早めの時間を伝えていたそうです。恐るべしスリランカ人、今回参加した人は10年以上日本に住んでいるにも拘わらず、時間感覚がいまだにスリランカ時間のようです。電話があった時点でNチームは早めに昼食を摂って、気長に待つ事にしました。昼食後、ハーブ園を散策したりして時間を潰しているうちに、ようやく12時20分にSチームが到着しました。そして、何事も無かったように 「さぁ、行きましょう」 「昼食を用意してきたので、景色の綺麗なところに連れて行って下さい」 などと言ってきます。これぐらいで怒ってはスリランカ人とは付き合えません、僕たちの分まで昼食を用意して来たりして、気の良い人たちなのです。 長坂インターチェンジで高速を下り、八ヶ岳が一望できる橋の上で記念撮影をしたりしながら、14時少し前に清里の清泉寮ファームハウスに到着しました。お待ちかねの昼食です。ファームハウス前に広がる真っ青な牧草地、真っ白なフェンス、そして木造の机とベンチ、なんとも牧歌的な雰囲気で絵葉書に書かれている様に綺麗な場所でした。 Sチームの車から鍋やプラスチックケースに詰め込まれたスリランカ料理が次々に運び出され、机の上に並べられます。スパイシーなチキンカレー、カツレツ(円球のコロッケの様な食べ物)、ロティ(カレーペーストをはさんで焼いたパンケーキの様な食べ物)、ポルサンボル(スリランカ風のフリカケ)などです。もちろんスリランカのライオンビールもありました。1時間ほど食事とファームハウス周辺の散策を楽しんだ後、自然休暇村に出発しました。約1時間ほどのドライブです。 川上村で唯一のスーパーマーケットに立ち寄って、野菜とアルコール類を調達し、自然休暇村には16時頃に到着しました。キャビンに入ると、Sチームは直ちに夕食の用意を始め、Nチームは椅子を並べたりしましたが、他にはする事も無いので大浴場でノンビリです。 夕食は19時ごろに始まりました。昼食のメニューに野菜カレー、ビーフカレー、ダール(ひよこ豆)カレー、鶏腿肉のスパイシー焼き等が加わって大変な量です。料理を食べお酒を呑んでいるうちにSチームが、次は外で焚き火をしたいと言い出しました。キャビンの直ぐ傍に野外炊事場があったので、そこのバーベキュー用の暖炉で焚き火をしながら宴会の続きです。 スリランカのタプラーと呼ばれる小さな太鼓を持ち出して念願の唄を歌ったり踊ったりする事が出来ました。困った事に酔いが増すに連れて、誰かしらが太い薪をどこからか探し出してきて焚き火に足します。火が大きくなって暖炉からあふれ、野外炊事場の屋根に火の粉がかかる様になってきました。時間は23時になっていたので、お開きのタイミングです。Sチームからは、まだ宴会は始まったばかりだ、朝まで焚き火を続けたいと不満の声が上がりましたが強引に焚き火に水をかけました。あのまま続けていたら、本当に朝まで続けて野外炊事場ごと燃やしていたかもしれませんね。それぐらい火の勢いは強くなっていました。 何とか朝になり、Nチームは朝風呂に入り、帰りの準備をはじめました。Sチームにもチェックアウトは10時という事を伝えてあったのですが、別棟のキャビンから起きてきたのが9時少し前です。昨夜はキャビンに戻ってからも呑み続けたようです。それから本館でお風呂に入って帰ってきたのが9時45分ぐらいでした。幹事さんが、フロントと交渉してチェクアウトを1時間遅らせてもらったと嬉しそうに報告してきました。 朝食もスリランカ式で、大量に余った昨夜のご馳走と、新たに調理したカレー味のビーフン炒めです。昨夜の料理が大量にあまっているにも拘わらず、ビーフン炒めも大鍋一杯分ありました。Sチームの荷物には、食卓に出なかったチキン丸焼きやらカツレツ、ロティが段ボール箱に入って、まだまだ大量に残っています。いったい何人分用意してきたのでしょう。昨日から3食、スリランカ料理を食べ続け、美味しかったのでついつい食べ過ぎ呑み過ぎで、何カロリー食べてしまったのか怖いです。 朝食も終わり、掃除と後片付けをしてチェックアウトしたのは12時少し前です。休暇村職員の方にはすっかり迷惑を掛けてしまいました。帰り道で驚いた事に、Sチームから野辺山の宇宙電波観測所を見学したいと申し出がありました。 川上村には何度も来た事があり、途中の野辺山に大きな望遠鏡がある事は知っていましたが、ここに入れるとは知りませんでした。どうしてスリランカ人は知っていたのでしょう。観測所の構内では、ほとんどの施設を外部から見る事が出来ます。特に45m電波望遠鏡は迫力があり、お薦めの場所です。 宇宙電波観測所を出て、もう1箇所「萌木の村」に寄りました。しかし、Sチームは疲れてしまったのでしょうか、2人しか車から出てきません。ハロウィンの飾り付けが綺麗でしたが、此処は早々に引き上げる事にしました。そして、この場所で解散して各々のチームがバラバラに帰途に付いたのですが、途中のコンビニで出会ったり、連休で渋滞中の高速道路上で追い付いたり、追い越されたりしながら、最後まで仲良く旅行をする事ができました。Sチームの皆さん、Nチームの皆さんありがとうございました。また、やりましょう。 僕が見て感じたスリランカ・目次へ TOPへ |
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