「タイトル変更します」

                      

 「中国を読む」で2003年3月からスタートしたこの欄、一度範囲を広げて「アジアを読む」になり、知らないうちに「読む」と略され、そして今回、誰にも相談せず、許可も得ず、勝手にタイトル変更します。新タイトルは「雑記帳」でお願いします。

 変更の理由は簡単で、書評以外の回が増えたから。今年に入って、真面目に書評を書いたのは4回、それ以外は4回。これでは「読む」の短いタイトルも「偽りアリ」で消えかねない。「雑記帳」なら、書評でもそれ以外でも受け入れてくれるはずのタイトルだから。

 この欄を頂いた10年前。まだ社会に出たばかりの自分、「若いうちから1ヶ月に1冊、同じテーマの本を読んでいけば1年で12冊、10年で120冊、気が付けば貴方はそのテーマの専門家になれる」と、どこかで読み、書評欄にしたいと志願した。社会に出れば、自分が何も持っていないことを、痛いほど突きつけられる。10年後は、120冊の本をバックに、「専門家」になりたかった、のだろう。結果、10年経ったが、結局私は何者たりえていない。きっと、このまま何者たりえないまま、年齢を重ねて、死んでいくのだろう。そして、何者かである必要もない、きっと。

 だから、「専門家」を目指す必要もなく、この欄も「読む」である必要もなく、「書きたいことを書く」でお許しください。本を読んで思うことがあれば、それを書き、どこかの会議を傍聴して感じることがあれば、それを書く。旅行に行って面白いことがあれば紹介する。正直、何者かになろうと焦燥感を覚えて、ギラギラしていた時期のタイトルを、10年経っても引き継いでいくのは、ちょっとしんどい。

 というわけで、今回より、この欄は「雑記帳」というタイトルになります。みなさま、今後とも、どうかよろしくお願いいたします。(編集長、勝手なことして、ごめんなさい!)  (真中智子)


           
智子の雑記帳・目次へ戻る   TOPへ戻る