「誰でもなりえる パワハラ・セクハラの被害者・加害者」

                      

 パワハラ・セクハラ防止のための研修を受けた。3時間の研修後…、セクハラ・パワハラとは関係がないと思っていた自分は、誰もがセクハラ・パワハラの被害者・加害者になりうる、という考えに。単純な…、いや「優秀な」研修生である。

 「パワハラ」は「上司が部下に対して行う」印象だが、実際には部下が上司に行っても、同僚間でも、受けた当事者が「パワハラだ」と感じたら、パワハラになりえる。「指導」「注意」「相手が悪い」と思っても、その伝え方によって、相手が過度にストレスを感じた場合、パワハラになる。指導の場合は、相手の仕事のやり方について注意することはセーフ。そこから、相手の人格否定に発展すると、アウトになる。例えば「こんな仕事のやり方しかできないお前はダメなやつだ」「以前にこんな失敗をしたお前だから、今回も信頼できない」などなど。ドラマで見かける、人前で、大声で上司が部下を叱責しているシーン。これも部下の立場や感情を配慮していないという点で、パワハラになりえる。

 セクハラについても、受けた当事者が「セクハラだ」と感じたらセクハラだ。人によって、価値観は異なる。こちらが「些細のないこと」「合意だ」「向こうも気がある」と思っても、相手もそうとは限らない。まずは、誤解を招く行為は一切しない。当然のことだが、配偶者のいる人は、不貞行為は絶対にしない、が基本。

 逆に被害者になってしまったら、どうするか。まずは、一人で悩まない。一人で悩んでいるうちに、事態がどんどんエスカレートする可能性があるから。すぐに専門機関へ相談する(例えば、日本労働弁護団ホットライン 月・火・木曜日 15時から18時 03-3251-5363など)。また、パワハラ・セクハラ行為の日時、詳細を証拠として記録する必要もある。その場でのメモ、録音(盗聴には該当しないので、安心して録音していいとのこと)。また、職場の人事課などに相談するときは、書面で行う。気持ちが落ち込む人は、カウンセラーや診療内科へも行く。通院歴が、そのまま被害の証拠となる。

 まずは、自分が加害者にならないように気をつけたい。つい感情的になっても、「大人な対応」を心がける。狭い職場、狭い日本。気遣いに疲れたら、ワイルドなアジアへ。 (真中智子)


           
智子の雑記帳・目次へ戻る   TOPへ戻る