「震災から2年 あの日から変わったこと」

                      

 先日の3月11日14時46分に黙祷をした。

 NHKでは、「東日本大震災は風化していると思いますか?」というアンケート結果を放送していた。「風化している」と考えている人が多く、例えば、寄付金の額が減少していることなどが報じられていた。確かに、風化しているのかもしれない。けれど、あの日、東日本にいた人たちは、この日のことを、ずっと忘れないと思う。

 私個人のことでいえば、震災前と後で、ちょっとした習慣が変わった。まず、帰宅難民を経験したことで、職場に運動靴で通うようになった。毎日通勤で使っていた革靴は、法事で1度履いた以外は、あれから一度も使っていない。お風呂の残り湯も以前はすぐに流していたが、今はぎりぎりまで残しておく。

 千葉県に住んでいた知人は、震災後しばらく断水になり、トイレが流せなかったそうだ。お風呂の残り湯があれば、とりあえずトイレは流せるという考えから、残り湯が捨てられない。雨の日などに、お風呂場に洗濯物を干したいときは、仕方なく残り湯を捨てるが、正直、ちょっと不安になる。翌日、お風呂を入れながら、何もなかったことにほっとする。

 備蓄でいえば、水、お茶が店頭から消えた衝撃から、水と麦茶を定期購入するようになった。ダンボール箱単位で購入するが、残り少なくなると、これも不安になる。トイレットペーパーも多めに購入するようになった。生理用品も、再利用できる布製のものを一定数購入した。震災時に避難所で、生理用品がすぐには届かなかったという声を聞いたからだ。

 防災意識が高まった、といえば聞こえはいいが、何も気にしないで生活していた頃が懐かしい。私でさえ、こんなことを思ってしまうのだから、被災地の方々の不安やご苦労はいかばかりか。一日も早い復興を祈りたい。       

  (真中智子)


           
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