2014年、明るい年に

                      

  年齢を重ねるほど、1年が早く過ぎるように感じるのを、「ジャネの法則」というらしい。60歳の人にとって1年は人生の60分の1であり、6歳の子どもにとって1年は人生の6分の1であること、また子どものほうが、日々の生活が新鮮な驚きであふれているため、1年を長く感じるそうだ。

 というわけで、1年間が人生の35分の1である私は、2013年もなかなかなスピードで過ぎた。とはいえ、自分自身のことでいえば、この年は異動したため、4月から慣れない業務と環境でバタバタとし、仕事仲間も一新され、覚えることもたくさんあり、例年よりは「新鮮な驚き」であふれていたのだろう、いつもよりはゆっくり感じた1年でもあった。

 2013年は、東京オリンピックが決定した。オリンピック決定と同時に、福島第一原発の汚染水問題もクローズアップ。それでも、11月には使用済み燃料プールから、燃料棒の取り出しが始まり、いろいろな意見はあると思うが、現場の方々の努力と忍耐で、ここまで来たのだと、ちょっと明るい気持ちになった。

 2013年の漢字は「輪」、流行語大賞は「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇ」「倍返し」。なんとなく、みんなが前を向き始めた1年だったのかもしれない。

 私個人でいえば、これまで仕事のキャリアや子どもなど、自分にないものばかりに目を向けて、焦ったり落ち込むことも多かったが、今年は、そういうことが、ゼロではないが少なくなった。世間的な「幸せの基準」に自分を持っていくのではなく、自分自身がそれなりに楽しく暮らせれば、それでいいじゃないかと、思えるようになった。

 「人は将来のことを考えると、必ず不安になって、不幸な気持ちになる」とテレビで聞いて納得し、将来のことを考えるのをやめた。将来は、今の積み重ねだから、今を大切に生きていくことだけを考えればいい。

 気持ちが前向きになったせいか、ちょっとしたことで許せなくなっていた友人に、また会いたくなって、会ったら普通に楽しめた。疎遠になっていた両親にも、数年ぶりに会った。
 2014年、日本の課題は多く残るが、一人ひとりが、前を向いて、明るい年にしていければいいな、と思う。
                                                   (真中智子)


           
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