最終回になりました

                      

 2003年3月から始まったこの欄は、今回100回を迎え、最終回となりました。番外編を加えて、100以上の駄文を、快く載せてくださった「わんりぃ」の懐の深さ、暖かさ、自由さ、言葉にならないいろいろなものに、改めて、本当にありがとうございました。

 勧められるままに書き始めた10年前と今は、そんなに変わっていないと思いたいけれど、私のなかではすっかり世界は変わりました。2011年3月11日以来、この社会はたくさんの人たちの努力によって成り立っていて、ちょっとしたアクシデントで、日常が保てなくなるということを知りました。一方で、何があっても、人は日常を守ろうと行動し、そして、いつか社会は日常を取り戻していくのだということも知りました。

 いろいろなことがあって混乱した3年前、とにかく目の前のことをひとつずつこなしていくしかないと言い聞かせて、仕事や家のことをやっていくうちに、世の中は落ち着いていったのでした。

 計画停電で、信号も電車も止まり、暗いなかで窓からの光を頼りに仕事をしていた職場の風景は、異様でした。帰り道、同僚の女性4人で、車も人も少ない道を、一緒に帰りながら、そのなかの一人が涙ぐんでいたのを、あとの3人は気が付かないふりをして、黙って歩いていたのを思い出します。泣いても仕方ないじゃないか、と思いながら。

 思えば、‘わんりぃ’は1992年に活動を始め、間もなく22年になるそうです。きっとそれは、多くの方々が、活動を愛し、守り、育ててきたからで、ものすごく気高いものをそこに感じます。いろいろなことがあったはずの間に、変わらずに何かを続けてこられることは、得がたい幸せなことで、そこに100回以上参加できたことを、ありがたく、尊く思います。      
                                                   (真中智子)


           
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